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 募集要項:博士前期過程
      博士後期課程

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動物やヒトを対象に神経経済学の研究を行っています。神経経済学には神経科学,経済学,心理学の知識を用います。興味のある方は、h-yamada_at_md.tsukuba.ac.jp へご連絡下さい。筑波大学です。博士前期・後期課程の研究指導担当教員となっています。twitter: @Hiroshi12337131

卒業生

卒業生:田尻涼(2014, 医療科学類)、今泉優理(2018, 医療科学類)久保木亮介(博士論文指導(神経科学)2022、現武田薬品工業)

2023/06/19

2023/5/6

 「頑強さと新規性の反比例」

運動:ジョギング5.2km, 31.5min, 6min/km, 体重56.2kg, 歯のクリーニングしてスッキリ。
今日はちょい短めのジョギング。一昨日にハイキング1h、昨日ロードバイク2h(河口湖一周16kmくらい)と運動してたので、軽めに。今日は夏みたいに暑かったですから。
んで、ジョギングしながら考えてたのが、科学における「結果の頑強さ」と「結果の新規性」の役割。
私は、大体、
頑強さ>>>>新規性
って価値観を持っているので、どうしても、新しい事を信じるのに遅れがち。理由は、どの論文を読んでも人の話を聞いても、「それどれだけ頑強な結果なの?信じていいの?」という思考が一番に来るからです。リファレンスに引いてる論文も、それが顕著に出ます。ただ、この思考は科学にとってマイナスです。
例えば、新規の仕事であるほど新しい技術を使っている事が多く、頑強さの検証は遅れて追いついてきます。「そんな事はあるかもね」とは思いますが、自分の研究の枠組みに取り込もうとしません。だから、科学的にはマイナスの思考。
一方で、頑強さのメリットは、分野が成熟し始めた時に大切だと思います。例えば最近、行動科学の論文を戦いましたが、その際、近年の心理学の潮流の一つとして、「頑強性のチェック」を多数行いました。パラメトリックテスト、ノンパラメトリックテスト、パラメーター回復、モデル回復、交互検証、など。山ほど頑強さをチェックする解析を経て、自分の結果の「信頼性」と「限界」を評価することができます。新規性の高い分野・作法の場合には、頑強性のチェックのお作法が確立されてないと思うので、歴史の長い分野ではそれだけ事実に近づいた結果を得られているのだと思います。
神経科学だと、この辺、「因果性の検証」で「頑強性」がもっと問われるべきだなっと思います。
因果性の検証で古くからある方法は、電気刺激とムシモルです。ムシモルは局所投与量とその効果が山のように報告されているので、まあ、すぐ信じれます。その脳部位の活動を抑制した効果に関しては。また限界も明確。他の脳部位の活動がどう変わったのかは、不明です。電気刺激も、電流量と刺激のパラメーターからすぐ頑強性が分かります。限界も明白です。例えば、その電気刺激の電気の拡散範囲は不明。また、通過するファイバーも刺激されます。
薬理操作の頑強性は、ムシモル以外の全ての薬に関して明白かと言えば、全くそんな事は無いと思います。例えば、スライス実験なら、どのチャネルを介して薬理効果が得られているか明確に調べるので、頑強さと限界が同時に分かります。一方、Vivoで新規の薬を使うのであれば、濃度依存性のチェックとアゴニスト、アンタゴニストの投与は必須と思います。じゃないと、アーチファクト見てても分からんので。裏の取ってない結果ほど怖い物はないです。特に、細胞に劇的な変化が現れた薬ほど、裏とりが大切と思います。裏を抑えず、かつ、限界を明確にしてない結果は、信頼性無いよなって思います。この辺、その研究者と詳細に話したり、あと、著作を続けて読んでいくと、判断が付くと思います。
今全盛のオプト・ケモだとどうなのかなと思うんですが、そこもやっぱり裏とりは必須だろうなぁって思います。出たもの勝ちな部分があるので、本当に意味のある効果と副次的な効果と色々混ざってるんだろうなって想像してます。大切な効果は、操作が弱くても残ると思うので、何処まで弱い介入で効果が見られるのかを抑えておくのは、大切なんだろうなって思います。どこまで裏を押さえるかは難しいところですが、裏を抑えないと論文一本限りの結果になって、結局メカニズムに踏み込んでいけないですよね。
これ面白いって結果が見えたら、裏とり大切です。昔、色々薬を注入した経験があるんですが「結局表現型から何が分かるの?」ってとこが分からなくて、ムシモルだけやる事にした経験があります。難しいとこだなぁって思います。

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