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 ニューロサイエンス学位プログラムHP
 募集要項:博士前期過程
      博士後期課程

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動物やヒトを対象に神経経済学の研究を行っています。神経経済学には神経科学,経済学,心理学の知識を用います。興味のある方は、h-yamada_at_md.tsukuba.ac.jp へご連絡下さい。筑波大学です。博士前期・後期課程の研究指導担当教員となっています。twitter: @Hiroshi12337131

卒業生

卒業生:田尻涼(2014, 医療科学類)、今泉優理(2018, 医療科学類)久保木亮介(博士論文指導(神経科学)2022、現武田薬品工業)

2023/06/19

2023/3/5

 「ふしめをつくる」*長文注意報付き。

(今日の運動。ジョギング5km,32min。体重56.0kg)
今日は、ジョギングしながらこの2年くらいでやってきた事を振り返りました。ちょうど今年で筑波に異動して10年になるので、区切りを考えるのは大切だと思った事もあります。
「研究」
筑波に異動してから「1年一本論文出す」「姉妹誌に出す水準の研究をする」、を目標にしてきました。この点は概ね継続しています。今まで自分の身に着けてきた研究技術に更にプラスして、新しい研究への投資を始めた所ですが、チームを率いて学生さんと一緒にやる事で新しい面白い研究ができるんかなと思っています。自分が思う以上の事をできるかも、って思います。
「教育」
自身のラボはまだ無いのですが、メンバーの増加と変遷に伴って、自身の役割を変えてきました。初期の頃は実験スペースが足らず自分の学生は居なかったため、「学生の解析をサポートすること」、「学生の調子を把握すること」、「安全とルールを明確にすること(小言を言うw)」、を行いました。
 この数年でラボが拡大し、色んな多様性が増加しました。同僚の助教の先生が途中で来た事もあって、自身の役割を変えてきました。この2年は、特に、研究の多様性が増し、博士後期の学生さんが増えた中で、「研究の水準を上げるための役割」を行ってきました。具体的には、ラボの中の個々の研究テーマを全て理解し、研究をブラッシュアップするためのコメントを出す事です。全く専門外の内容もありますが、ラボの中での議論が研究の質を担保するので、必死にやってきました。おかげで、新しいこれまで知らなかったテーマについても、だいぶ理解を深めました。
 この役割は、「研究の最前線で戦うためには」ラボの誰かがやる必要のある事ですが(全員できるならそれが一番)、だいたい誰かがやると他の人はやらないので(楽じゃないから)、博士後期~ポスドクの人が次のステージに進むためには、今年度からは、後ろから見守る系の教育にチェンジしようと思います。何かしらの意見を言える人がでてきたので、伸び始めた人を伸ばす環境を作るのを目的にする感じですかね。
 もちろん、自分のチームでは「常に自分達の研究を批判的に捉える」のは当り前です。ヤワヤワな結果では、論文書く時に全部崩れるので、お互いに意見を言う事を大切にして、ミーティングしてます。
「学内運営」
昨年度から、これまで所属してきたニューロサイエンス学位プログラムに加えて、ヒューマニクスやヒューマンバイオロジーといった卓越大学院のプログラムへの参加も始まりました。医工連携プログラムなのですが、自身が行ってきた(計算神経科学なぞ)学際領域は正に連携型研究なので、研究の展開がしやすいです。医学の委員会にも出るので、委員会で必ず意見を述べる、また、委員長として実務をこなすなど、組織の一員としての役割を明確に実施する事を増やしてきました。組織あっての研究者ですので、組織の中での自身の役割を明確にすること、お互いに協力する事、潤滑油の役割を果たすこと、大切と思います。
「共同研究は人との繋がり(上手くいくこと、行かないこと)」
共同研究を増やしたり、ラボの急拡大に応じた再組織化を実行したり、この2年で色々と積極的に行動してきました。そんな中で、上手くいく事もあれば上手く行かない事もありました。
 例えば、共同研究を5つほど行ってきましたが、多くの上手く行っていると感じられる場合は「意見を正面から交換しあえる」「共同して問題を理解し、新しい展開を目指せる」という状況にあるのが分かってきました。完全に自身が主導で研究を進める場合であっても、共同研究者の意見を節目でしっかりと確認します。ずれる前に修正という感じです。
 一方で、自分の研究者としての特性として「ビジネスとしての共同研究はしない」という考え方が明確にあるのが分かってきました。ある程度もともとの研究目的が明確にある場合であっても、相手の研究の理解と発展を目指して全力で共同します。ただ、共同研究の目的は人それぞれだし、共同研究で何を得たいかも人それぞれなので、私の共同研究のスタイルは相手に合わない事もあります。特に、研究として知りたい事よりも、資金繰りや技術の共用が重視されるという場合に、馬が合わないと思います。また、そういう場合は、科学としてどこまで掘り下げたいのかが合ってない気がします。
 馬が合うか合わないかは、科学の方向性の問題でもあるので、合わない場合には、無理に共同を続けないのも大切だと学びました。上手く行かない事をずっと引きずって前に進まないのが一番マイナスだらけになるので、上手くいかない場合に、自身の気持ちの切り替えと新たな関係の構築は大切思います。話を聞くこと話すことですね。
「体力維持」
コロナが始まってから、毎週一回運動する習慣をつけました。一昨年は10~20kmくらいはしってましたが、この所は10km程度にしてます。体力が無いとなんもできないよね、って、コロナ開けに出勤した時、大学行くだけで疲れたのがきっかけでした。んで、この二年で二回もぎっくり腰やったので、相当衰えを実感しながら、健康維持に努めてます。
「日々の生活と人間関係」
この二年は家族との関係も山あり 谷ありでした。自分が仕事で人との関係が上手くいかない事が増えた際に、同時に家族との間でも色んなずれが生じました。自身にストレスが高まった状態が続いた事もあってか、聴覚過敏になり「疲れている時音が痛い」とかんじる事が頻繁にありました。火事場のクソ力的に「上手くいかないことをなんとかしないと」と思って、とにかく努力をする、ストレスに耐える、という事を続けたからだと思います。人の負の感情を敏感に読み取る努力を続けた事も、関係がありそうです。あと、コロナで人と人の関係が断絶して孤立していくと、色々思考も変わっていくし、認知に偏りが出るんだなぁって思いました。自分の中に喜怒哀楽をちゃんとバランスよく留めるのって、大切ですね。
 今思うと、自分に足りないのは「受け流す力」なんでしょうが、上手くいかない事、自分の理解できない状況、を放置して流しておくのは、自分には無理だなぁと思うので、自分にできることはやっぱり努力することで、正面から向かい合って話すことなのだと思いました。時には「離れる」「時間を置く」ことで、解決を目指す事も大切ですね。物理的に離れるというのは有効な手段であることも分かりました。
「今年度からやること」
この春から、大学院生三人と学部四年生と研究を進めていく事になります。重視するのは、
・学生自身が楽しいと思うことをする。
・上手く行く→楽しい、のサイクルを構築する。
・学生の将来の目標(修士で就職、博士で就職、博士で研究者)
達成に直結する力を育む。
ことかと思います。その目的を達成するために
・コーチング・フォロワーシップ重視の個別教育。
・自主性の尊重と育成と関与の最小化(口出しすぎるから)。
・相談重視のコミュニケーション、意見を引き出す。
・期待のかけかたの工夫
とかできれば良いなって思ってます。到達したい内容を本人の特性に応じて具体化し、達成のアプローチをサポートしながら考えていく感じでしょうか。個人の長所を伸ばし、短所を補う形で共同して研究を育てていけると幸せですよね。
 もちろん、ネタ帳には、これだ!っていうネタは練り込んでありますが。それはそれ。
ちなみに、研究者するなら「論文書かなければ脱落必須」なので、研究者になりたい訓練を受けるポスドクが論文を書ける状況を提供していく事も重要なPIの仕事ですね。この辺、実際に教育を考えて動いた結果、難しい問題だなっと実感しましたが、答えを個人ごとに設定していく事が必要ですね。ラボを運営するなら、それしないPIは責任を放棄している以外の何物でもないので。
自身の目標としては、とにかく自分の仕事を吐き出す、自分の科学を表現するので精一杯という状況でもあるので、論文生産ペースを上げるのと、新しく撒いた研究の芽を伸ばして大きくしていく所かなと思います。
こうやって思考をまとめるのって、ダラダラ研究を進めないためにも大切ですよね。最近、やる気が低下気味だったので、こうやって長文を書いて思考をまとめて、ラボの看板を持てるように、一歩一歩前に進むのが大切なんだろうなって思います。
(なんか凄い長文)

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