つい最近出張して、いろいろ研究の展開が頭の中で進んだ。
1)マカクザルの頼まれ仕事は、やっぱり数理モデルに落として自分らしさを出す方向でいく。
2)マカクザルで本職の価値判断には、面白いやりたいアイディアがいっぱいあるので、そのアイディアで金を取って、人を雇う(雇えるといい。。。学生さん?)。
3)マーモは1ステップずつ研究していくけど、最終的にどんな技術を入れて”意思決定のネットワーク”を理解するのかを柔軟に考えていく。
やっぱり、これからは脳全体が意志決定を行う過程を理解するために、ネットワークのダイナミクスを知れると面白いんだろう。
~ヒトの心の理解を目指して~
神経経済学 (Neuroeconomics)は、神経科学とミクロ経済学を融合した最先端の学際的な研究です。
・喉が乾いた時に飲む水は美味しいのなぜ?
・なんでペプシよりコーラが好きなの?
・ギャンブルってどきどきしますよね?
学生さんと一緒に、価値観が脳から生まれる仕組みを調べています。ヒトの人間性の理解・社会の制度設計の改善などに繋がります。ポスドクの方募集中です。まずは問い合わせください(2023/2/12)
説明
自己紹介
- 山田洋
- 動物やヒトを対象に神経経済学の研究を行っています。神経経済学には神経科学,経済学,心理学の知識を用います。興味のある方は、h-yamada_at_md.tsukuba.ac.jp へご連絡下さい。筑波大学です。博士前期・後期課程の研究指導担当教員となっています。twitter: @Hiroshi12337131
卒業生
卒業生:田尻涼(2014, 医療科学類)、今泉優理(2018, 医療科学類)久保木亮介(博士論文指導(神経科学)2022、現武田薬品工業)
2012/06/16
迷うところ
新しい職についてもうすぐ一年。半独立職として研究している。研究の進展の遅さに焦るばかり。
遅い理由は主に研究内容が半分変わったことと、複数の内容を同時に進めようとしていることかな。
これまで、マカクザルを使って意思決定の研究をしてきたけれど、
1.マカクザルを使って研究はテーマ変え
:材料・手法は同じだけど、研究内容が変わった
2.意思決定の研究はマーモセットを使ってやる
:テーマは同じだけど、実験動物として未開発の動物が対象。
やっぱり、自分の研究を立ち上げる時には、これまでやってきたことにプラスαで研究を延ばしていく方が、スムーズに面白いところに到達できると思う。それに加えて、新しいテーマや材料を開発していくべきだろう。どちらの研究も半分は新しいことなので、研究として原始的になりがちで進んでいくスピードが上がらない。並列に二つを進めていることも大きな原因。
自分のやりたいことをやるためには、自分で金を全部とって、自分のお金で研究を回していけるようにすることが必要で、それが完全に独立するための道なので研究費を十分取れるといいな~。
新しい研究を立ち上げていくのはワクワクするけど、進まないとシンドイ。
今は、昔の仕事をとにかくまとめて業績リストを増やしてる。 がんばろ。
これまで、マカクザルを使って意思決定の研究をしてきたけれど、
1.マカクザルを使って研究はテーマ変え
:材料・手法は同じだけど、研究内容が変わった
2.意思決定の研究はマーモセットを使ってやる
:テーマは同じだけど、実験動物として未開発の動物が対象。
やっぱり、自分の研究を立ち上げる時には、これまでやってきたことにプラスαで研究を延ばしていく方が、スムーズに面白いところに到達できると思う。それに加えて、新しいテーマや材料を開発していくべきだろう。どちらの研究も半分は新しいことなので、研究として原始的になりがちで進んでいくスピードが上がらない。並列に二つを進めていることも大きな原因。
自分のやりたいことをやるためには、自分で金を全部とって、自分のお金で研究を回していけるようにすることが必要で、それが完全に独立するための道なので研究費を十分取れるといいな~。
新しい研究を立ち上げていくのはワクワクするけど、進まないとシンドイ。
今は、昔の仕事をとにかくまとめて業績リストを増やしてる。 がんばろ。
2012/03/24
【Book】Foundations of Neuroeconomic Analysis: S1-1
神経経済学を構成する3つの学術分野
浮気という意志決定をどのように科学的に説明するか?
・新古典派の経済学者の考え方
浮気を行ったことを合理的に説明するために、最も少ない仮定を持った数理モデルを構築を目指す。例えば、性交をする喜びと後に浮気がばれることのリスクを考える。その上で、選ばれた行動から個人に内在する”選好(好み)”を明らかとする。これを”顕示選考(revealed preference)”と呼び、行動を選ぶことによってのみ個人に内在する選考を測定することができるという立場を取る。
・心理学者の考え方
日々の生活の中で変化する喜び、悲しみ、後悔といったMental state(心的状態)に性交が作用し、この心的状態を満たし幸せを高めるように、行動の選択が行われると考える。
ちなみに、このような複雑な過程は新古典派の経済学にはなく、上記のように選好があるのみの非常にシンプルな説明となっている。
・生物学者の考え方
進化生物学的に考えれば、包括適応度(inclusive fitness)を高めるために性交をするのは当然である。より多くの子供を残すことが自分の子孫(遺伝子)を残すことに繋がる。これは究極要因としての説明で、至近要因を考えた場合には、なぜ脳がこのような行動を選んだのか生物学的に説明する立場を取る。
学問が違えば前提が違うので、共通理解にはまずお互いを理解することが重要かな。
浮気という意志決定をどのように科学的に説明するか?
・新古典派の経済学者の考え方
浮気を行ったことを合理的に説明するために、最も少ない仮定を持った数理モデルを構築を目指す。例えば、性交をする喜びと後に浮気がばれることのリスクを考える。その上で、選ばれた行動から個人に内在する”選好(好み)”を明らかとする。これを”顕示選考(revealed preference)”と呼び、行動を選ぶことによってのみ個人に内在する選考を測定することができるという立場を取る。
・心理学者の考え方
日々の生活の中で変化する喜び、悲しみ、後悔といったMental state(心的状態)に性交が作用し、この心的状態を満たし幸せを高めるように、行動の選択が行われると考える。
ちなみに、このような複雑な過程は新古典派の経済学にはなく、上記のように選好があるのみの非常にシンプルな説明となっている。
・生物学者の考え方
進化生物学的に考えれば、包括適応度(inclusive fitness)を高めるために性交をするのは当然である。より多くの子供を残すことが自分の子孫(遺伝子)を残すことに繋がる。これは究極要因としての説明で、至近要因を考えた場合には、なぜ脳がこのような行動を選んだのか生物学的に説明する立場を取る。
学問が違えば前提が違うので、共通理解にはまずお互いを理解することが重要かな。
2011/09/18
Incentive compatibility(誘因両立性)
経済学の行動実験を行う上で最も基本となるのが、Incentive compatibility(誘因両立性)という概念である。ここでは、ミクロ経済学の個人の選考を測定する場合を例に説明します。
個人の選好を測る上で重要なことは、各個人が真の選考を示す実験条件になっているのかに、常に気をつける必要がある。つまり、真の選好を表明することで効用が最大化されなければならない。つまり、誘因両立性の制約が満たされている必要がある。
例を挙げると、
1.りんご一個買うのにいくら払いますか?と聞いた場合(willingness to pay (WTP))、ただ単に聞いただけでは、被験者はいくらの値段でも自由に述べることができる。これは、被験者が真の選考を表明することが、利得につながらないため。
2.実験条件の設定によって、ある特定の選択を行うことが効用の最大化に繋がる実験になっていると、被験者は真の選好を示すことが効用の最大化に繋がらなくなってしまう。つまり、こういう行動をすると、儲かるといった特定の解が存在するような場合。
言い換えると、自分の選好を表明するメリットが無い状況では、ちゃんと各人の選好は測れていない。真の選好を表明することが最適戦略(誘因両立性の制約を満たす)となっていることが必要。
個人の選好を測る上で重要なことは、各個人が真の選考を示す実験条件になっているのかに、常に気をつける必要がある。つまり、真の選好を表明することで効用が最大化されなければならない。つまり、誘因両立性の制約が満たされている必要がある。
例を挙げると、
1.りんご一個買うのにいくら払いますか?と聞いた場合(willingness to pay (WTP))、ただ単に聞いただけでは、被験者はいくらの値段でも自由に述べることができる。これは、被験者が真の選考を表明することが、利得につながらないため。
2.実験条件の設定によって、ある特定の選択を行うことが効用の最大化に繋がる実験になっていると、被験者は真の選好を示すことが効用の最大化に繋がらなくなってしまう。つまり、こういう行動をすると、儲かるといった特定の解が存在するような場合。
言い換えると、自分の選好を表明するメリットが無い状況では、ちゃんと各人の選好は測れていない。真の選好を表明することが最適戦略(誘因両立性の制約を満たす)となっていることが必要。
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