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動物やヒトを対象に神経経済学の研究を行っています。神経経済学には神経科学,経済学,心理学の知識を用います。興味のある方は、h-yamada_at_md.tsukuba.ac.jp へご連絡下さい。筑波大学です。博士前期・後期課程の研究指導担当教員となっています。twitter: @Hiroshi12337131

卒業生

卒業生:田尻涼(2014, 医療科学類)、今泉優理(2018, 医療科学類)久保木亮介(博士論文指導(神経科学)2022、現武田薬品工業)

2021/06/05

計算という名の何か

 計算神経科学は、基本的にはある仮定に基づいて成り立つ学問です。それは、神経細胞の活動の特徴が、ある数学のモデルによって模倣することができるという暗黙の了解です。近似的に表すことができると言っても良いのかもしれません。

 従来の計算神経科学の研究は、線形代数の組み合わせからなる演算アルゴリズムを見つける物が多数を占めました。個体への入力を担う網膜の細胞や個体の出力を担う筋肉を縮める脊髄の運動ニューロンは、細胞の活動の頻度と誘引される物理量/誘引する物理量がほぼ線形に近い関係にあったため、そのような研究が盛んになったのだと思います。

 私が研究を始めた20年ほど前は、発火頻度に意味があるという”仮定”に基づいて様々な認知・運動機能に関わる脳活動が調べられまくりましたが、その当時からこの前提がもの凄く気持ち悪いと思っていました。実際、統計的に発火頻度に差があれば、意味があるという発火頻度万歳主義とでもいえる風潮がありました。もちろん、発火頻度を調べたら色々わかることはありますが、それは単にEEGの事象関連電位を調べたら脳の計算機能がわかるぜ!と言っているのと、大きな差はないという気がします。心理学的には感覚運動事象の何に関連する活動なのかを調べることは大いに意味がありますが、計算という観点からは活動が変化したから意味があるとは思えない感覚があります。

 2010年頃から、この風潮は徐々に変わり始め、今は、より複雑な計算の仕組みが提案されていますが、やっぱり、神経細胞って何を”計算”してるの?っていう、疑問は全く変わりません。結局、個々の細胞が活動電位を伝えてる配線がわからない状態で、個々の細胞の活動から(配線を無視して:分かりようがないので)計算と言う名の何かをあれやこれやと議論しているんだと思います。

 自分が生きているうちにスタートレックのような世界がくるとは思えませんが(分子リプリケータ‐で、脳を再構成しちゃうやつですね)、脳の深淵の一旦を覗けるような世界に到達して、何やゾクッとしてみたいなと思います。そうしたら、今の神経科学が骨相学みたいなことになることも無いだろうし、医療にも、リアルライフにも、気軽にオシャレに神経科学を適用できる世界がくるんじゃないかなっと思います。

後書き:雑感なので、日々前進の努力を続けている研究者の皆様を貶めたり、煽るような意図はありません。もし、文章を読んで不快に感じられた方がおられましたら、適宜文章を修正致します。多分こんな文体になったのは、自分が自分に不甲斐なさを感じているからだと思います。生産を優先するために挑戦を後回しにするからでしょうか。。。。後ろ向きの思考もたまには良いのではないかと思って、カキカキを終了です。




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