今日の運動:ジョグ6km, 34min
~ヒトの心の理解を目指して~
神経経済学 (Neuroeconomics)は、神経科学とミクロ経済学を融合した最先端の学際的な研究です。
・喉が乾いた時に飲む水は美味しいのなぜ?
・なんでペプシよりコーラが好きなの?
・ギャンブルってどきどきしますよね?
学生さんと一緒に、価値観が脳から生まれる仕組みを調べています。ヒトの人間性の理解・社会の制度設計の改善などに繋がります。ポスドクの方募集中です。まずは問い合わせください(2023/2/12)
説明
自己紹介
- 山田洋
- 動物やヒトを対象に神経経済学の研究を行っています。神経経済学には神経科学,経済学,心理学の知識を用います。興味のある方は、h-yamada_at_md.tsukuba.ac.jp へご連絡下さい。筑波大学です。博士前期・後期課程の研究指導担当教員となっています。twitter: @Hiroshi12337131
卒業生
2021/12/26
雑感:2021/12/26
プレプリント
カーネマンとツバースキーが提唱した人のリスクを伴う意思決定を説明する理論「プロスペクト理論*」が、脳の神経細胞でどうやって実現されているのかを調べた論文のプレプリントを載せました。
雑感:2021/12/19
今日の運動:ジョギング5.6km, 36min。冬は寒い。。。。57.8kg
2021/12/15
学生さんの博士審査・・・・
今日、例の学生さんの博士予備審査がありました。隣のラボの学生さんで、指導を引き継いだ学生さんです。審査が始まる1hぐらい前に、「大丈夫かなぁ・・・」と思って、こちらまで緊張してきました。
予備審査にはもちろん指導教官は立ち会いません。審査の時刻は、ちょうど実験実習を行っていました。実習が終わった後、部屋に帰るまでの間、どうなったかなぁ・・・・って思いながら、妙な緊張感を抱えて戻りました。
メールを見ると、本人からの返信がありました。しかし、タイトルからは何もわかりません。Reってやつだったのですが、審査終了予定時刻ちょうどくらいの時間で返信が返っていました。結構、メール開けるまで緊張感があったんですが(論文のDecision letter見るのと同じくらいに)、無事合格し、本審査に望めることが決まりました。一発での合格を目指し、その水準に到達できるように、本人に努力の必要性を伝え、そして本人は見事に努力で答えました。審査に落ちると在籍期限年限の関係で、、、、ってやつだったので。
2日前に行った、模擬発表では、同僚とポスドクに、悪役審査官をやってもらい、科学的に厳しい答えられなければ、即不合格に繋がる質疑応答をやってもらいました。その際、質問に対してほとんどディフェンスすることができず、火だるまになっていたので、本当に心配だったわけです。私は、その時「この返答だと落ちるからね」っと、悪代官のように冷酷に伝えました(これマジです)
今日の本人の受け答えの内容はわかりませんが、模擬戦で行ったのと同様の質問が多数あり、しっかりと受け答えできたようです。この模擬戦が無ければ、今日の合格はまず無かったでしょうから、無償で協力してくれた同僚の二人には、しっかりとお礼しないとなぁって思います。勿論、感謝の気持ちを伝えたのは言うまでもありませんが(一人には明日伝えないと。メールしかできてない)。
そんなこんなで、自分もホッとしたせいか、急に涙が出たりして、ちょっと恥ずかしいところを他人に見せることになりました。自分の中では、本当に良かったと思っていて、たぶんその理由は、努力した人は報われるべきだよね、って思うからです。あと、自分が教師として、初めてちゃんと教師らしいことしたなぁ、、、って思うので、心からホッとしたんだと思います。
今日は、祝杯を一人であげようと思ったんですが、何分、体調不良から抜け出せていないので、自粛して、今日はお酒飲むの止めました。元気になったら、浴びるほど飲もうっと思います。本当は、当事者皆でお祝いしたいんですけどね。今飲み会はアカンな。
本人は、まだ、本審査が控えていますが、この壁を乗り越えたのだから、もう、大丈夫なはずです。きっとこの成功が、彼の今後に何かの役に立つと思います。
本当に良い一日でした。
2021/12/13
「体が弱ると感じ方がずれるの巻」:長文注意報付き
ジョギング 4km, 22min 体調不良。体重58.0kg (1wで1kg減るのは、ちと良くない。最近、デブって来てたから良いんですが)
2021/12/11
【技術系職員募集】
一緒に働いてくださる方を募集しております。
https://www.tsukuba.ac.jp/about/jobs-information/pdf/202112061348.pdf
2021/12/04
教育者として
自身は、自分で自分が単なるお節介な傾向の強い人、と思っていたのですが、実は多分「教育好き」だったんだな、と思うようになってきました。多分この性質は、小学校の先生をしていた、母親の影響や、勉強なんか色々教えてくれた、兄の影響なんだと思います。
うちの母親は小学校の先生をしていたんですが、孫を連れて行くと、かわいいねぇっていうんですが、でも、常に孫を教育対象として分析していて、ああ、〇〇できるようになったんだね、とか、△△の性質がもうちょっと必要だね、とか、言うわけです。
つ ま り 「孫育て!」
兄貴には、小さい頃、ラジコンの操縦の仕方から、釣りのリールのバラし方から、勉強の復習の仕方まで、色々教えてもらいました。
大学院の研究室では、教授は「手の上で転がす」系の教育方針で、実務の指導は助教の先生に任せつつ、大枠で人が育ちながら、研究が育っていくのを、厳しく(←ココ重要)見守る人でした。M1の自分が、〇〇自分でやりたいんで、研究計画発表させて下さいって言っても、「よし!やってみろ」、んで、じゃあ、「その計画で行ってみようか」、って言ってくれる先生でしたね。人の努力を褒めることで、その先に繋がっていくのを大事にする先生でした。
自分を指導してくれてた助教の先生は、とにかくサポート上手。こっちの考えを汲み取りつつ、引っ掛かりそうな所を事前に踏まえて、分かりやすく学習させること、相手のやる気を削がないこと、を徹底してやってくれました。私が、研究計画を考えるのに、初めの頃、毎週1回1h程度、ディスカッションに付き合ってくれたのは、今思えば、凄いことでした(当時は右も左も分からない…ry)。
更に、大学院の先輩は、プログラムを教えてくれたり、ディスカッションがあれば、すぐに聞いてくれたり、常に、後輩を気にかけてくれる、何でも聞けば教えてくれる、凄い先輩でした。今でも仲良くしてもらっています。追い抜きたくてもなかなか追い抜けない。
大学院の時は、研究室にあるラボのテーマを一通り理解できるように、分子からスライスからニューロン記録から行動から、共同研究者の計算論から、何でもかんでも、とにかく質問してました。4つくらいテーマがあったんですが、最終的には全てを把握できるようになったと思います。
こんな感じで、色んな先生に色々と見守って貰った結果、今の自分があるので、自分も今の学生さんたちに、一人一人何をしてあげられるのかを考えて、接する時間をできるだけ濃密に、意味のある時間にできるように、と思って接しています。もちろん、自分より年下の人は全てその対象なので、出し惜しみはしません。同僚でも、ポスドクでも。ボスは対象外ですが。もちろん。
人に教えていて、その人の反応や感じ取り方、疑問の感じ方を見ていると、人それぞれで結構な違いがあって、その違いが自分に無いものだったりすると、自分の中に気付きがあって、自分が成長できるように感じます。生涯学習ではないですが、生涯学び続けて新しい自分をつくり続けていけることが、研究者にとって重要なことだと思っています。立ち止まったら終わりのしごとなので。
研究者は常に問題を作って解決するのが仕事なので、「多角的な視点」は非常に重要です。こうも考えれる、いや、こっちの考えもある、といったように、一つのことを多角的に分析して、丸裸にするのは大切なことではないでしょうか。そういった複数の視点を持つには、周囲から教えてもらうのが凄く大切と思います。
今でも良く、秘書さんに「◯◯ってどう思います?」「△△って言われると何感じます?」とか、聞いちゃいますね。初めの頃は、秘書さん「へ?何いってんの?」って、心の中で思ってたと思いますが。
常に挑戦者、常に一歩先へ、常に新しい思考を、このことを教えてくれたのは、留学先のPIでした。昔、留学時、ボスに「いつ追いつけるのかなぁ?」って、言ったことがあって、「お前よりずっと高い学習率で、勉強し続けてるんだから絶対追いつけない!」と言われた事があります。まあ、そう思うべきライバル?と多少なりとも思ってもらえたのかもしれません(自己肯定的に捉えると)
ラボを離れるサヨナラ会で「I have been horned working with you 」と刻印した、ipadを貰ったボスの粋な計らいは、忘れることのない生涯の思い出です。
自分は他の研究者に比べて、色々と疑い深く、自分が納得するまで自分の結果を信じない傾向が強いのかもしれません。また、新しい技術に対して、結構懐疑的で、保守的な思考があるようです。この性質のせいか、論文化は常に遅く、器用に売れる論文を作るのが得意ではないため、マニアック系の論文を好む傾向が強いです。
現在のIF産業には不向きだなぁ、、、と思いつつ、一つ一つ積み木を重ねるのが科学だと思って、地道に作業を繰り返す、そして、一歩でも二歩でも今より前進することを続けていくんだなと思ってます。そんな中できっと、ブレークスルーにであえるようなヒトトキが訪れることもあるかもしれない、と思っています。
「常に一歩前へ、生産性のある日々を!」
生きている間に脳がわかったと思える瞬間に立ち会いたいなぁっというのがモッパラの目標です。それは自分ひとりで出来ることでは到底ないことなんで、周りの皆の力を借りて、一緒に進んでいけたら良いなって思います。
そのためには、この難しい日本の研究環境の中で、精一杯やれることをやって、一緒に活動する人が納得して科学できるようにすることが、自分の目指すべき方向性かなっと感じます。ポジション取れた所が自分の科学するとこですよね。
2021/11/27
PIの仕事:自分が身につけるべき力
PIの仕事
1◎.研究のゴールを提示する(旗を振る) 2○.研究資金を提供する(お金を取る) 3○.ゴールへのアプローチに自由を与える(本人の能力に応じて) 4○.論文を生産し、繋がっているメンバーの業績を作る2021/11/03
基礎研究の大切さを伝えるために!
基礎研究の大切さの伝え方!
☓「将来役に立つかわからないけど大事」
○「当時は役立つかはわからなかったけど、今は○○に役立ってる」
っていう例を挙げる。短期的には役立つわけではない。
例:DNAの発見とか、今、ほぼ全ての病気の診断と治療に役立ってますよね。発見からPCRの原理の開発まで、時間はかかっていますが、全人類が恩恵を受けている。
こんな感じで、伝えたい!!!
2021/10/31
目標の変更&生活スタイルの変更
助教で無期雇用になって3年が過ぎました。助教5年が有期だったので合計8年です。
3年前から就活を始めましたが、業績不足&競争の激化で、全然PIポジションが見つかりません。そこで目標設定を変更することにしました。
これまで:1年に一本論文を出版する。時々大振り
これから:2年で7本論文を投稿する。3本を大振りする。
昨今の日本のjobマーケットの競争激化に加え、自身の分野が霊長研問題と直結する分野だったりと、元々募集の少ない分野が更に細くなるという状況です。この2年でとにかく生産して、PIポジション見つけるための就活に繋げる!というのが目標の変更内容です。
この目標達成のために労働時間を確保するために、日曜も少しの時間でも働くことにしました。1hでも2hでも、細かな時間を作るのが生産のためのコツです。
実験も継続して行うので、学生さんに来て貰えば即戦力でガリガリ研究一緒にしたいと思いますし、科学の楽しさを共有したいと思ってます。学部の1年でも、修士の2年間でも。
頑張りどころだなぁって思います。
2021/10/15
自分の力が出る時
”どういう時に自分が頑張れるか”は人それぞれですが、私は明らかに人のために何かをする時の方が、困難と感じることを乗り越えられるし、やって良かったと思える事が多いです。研究者としてそれで良いのか!?という問題はありますが、教育者としてはそれで良いと思います。
研究者の中には教育全く力入れなくて研究だけしてるから成果出るんだみたいな話もあったりしますが、研究者としてみればそれは正しい選択で批判されるべきことではない様に思います。ただ、大学にいる以上は教育で辞令が出てるし、教育で給料を貰っているので、結局のところ、”研究”も”教育”もできる凄いやつになれれば良いんだと思います。
研究者という観点からは、私は1.5流くらいなので、まずここを1流に近づけないと、言うこと言えんなぁと思って、論文カキカキですね。力が無い者は意見を言っても聞いてもらえない!正しいことをしたければ偉くなれ、は、本当にその通りだと思います。
ま、ぼちぼちがんばります。
2021/10/09
技術職員を募集しております。
私と一緒に働いてくださる方を募集しております。
https://www.tsukuba.ac.jp/about/jobs-information/pdf/202112061348.pdf
研究者として生き残るためにすること(神経科学の助教のまとめ)
自身の経験から「研究者になりたい学生がやるべきこと」をまとめてみた
1.大学院生
博士後期課程に進むなら、上手く行かなければすっぱりと諦める程度の覚悟を決めて進学することが必要です。しっかりと研究成果を出すために、働くのと同じで決まった時間で生活を組み立てる。60h/week程度の時間を研究に費やす。私は、だいたい10h/day✕6でした。ここで、自身が研究者として食っていけるのかを、自身で判断することが重要です。自分は食っていけると思ってアカデミックに残ったけど、自分が思ったほど成果を挙げられていないです。
最低目標:博士の間に1本、自身で全て説明できる論文を作成する
中間目標:メインの仕事を1本、サブの仕事を1本論文にする
高い目標:Cell, Nature, Science, Nat Neuro, Neruonなどの高インパクトジャーナルに論文を投稿し、運が良ければゲットする(私は外れました。1回査読には回ったけど)
なお、博士の間に、分野の必読書を英語+日本語で読み、基礎知識をつける。論文はアブストのみ読んだ物も含めて、300報程度を読む(分野により異なると思いますが、自身の論文作成に関わる必読論文+興味を持った関連分野でそれくらいでした)。自分の研究に関わる論文は全て網羅する。Fellowには必ず応募する(例:学振)。米国ならGrant writingのコースがあって、学生の時からお金を取る技術を学びます。
研究以外にも友達や家族など、繋がりを持ちましょう。趣味も大切です。デスクワークが増えると体調を崩しやすいので、定期的に運動をしましょう。研究が上手く行って楽しい時は問題ないですが、上手く行かない時こそ自身の力が試されます。その時に、人と繋がっていることは凄く重要です。
また、必ず休みを取りましょう。規則正しい生活を繰り返すことが、心身の健康に大切です。大学院生は社会に出たことが無いため、労働の厳しさに負けやすくなります。アスリートが行うような、メンタルトレーニングを行うことが重要と自身は思います。研究=知の挌闘技と捉えるくらいが丁度良いかと思います。
最後に博士論文を書く時など、全てにおいてですが「シングルタスク」をすることを勧めます。一つ一つの作業・業務がアヤフヤなのに、あれやこれやとやると、前に進みません。マルチタスクは効率が落ちるので、シングルタスクの精度が上がってからやりましょう。悪い言い方をすると、マルチタスクが逃げ道を用意することになり、一つのことをやり遂げられなくなります。
補足:私は競争が嫌いな人間なのですが、研究者になりたいなら競争する以外道はありません。プロ野球選手と同じです。プロの研究者になるために、競争に勝つための技術・戦い方を身につけるのが重要です。
2.ポスドク
日本をでて、世界的に見て「科学の中心地」でポスドクを行う。中心には人と金と情報が集まる。できる限り、ビッグラボに行く。また、若手で無期雇用を得る前後のPIは生産性が高くお勧め。大御所で生産性が落ちたPIのとこは行かない方が良い。自身が行ったラボは、PI50歳の確立した大御所でしたが、非常に生産性高く科学を営むPIで、サバティカルを取って本を1冊書いてました。その間に、大西洋をヨットで横断したりとか。1に生産、2に生産、全てまず論文生産(自身のホームラン狙いが外れ空振りし続けた経験からそう思う。とにかく高IF雑誌を振りまくる。最近はIF10以上の論文沢山ありますからね)。これに加えて、最先端の情報が集まる中心地で将来のネタを考えるのも大切です。IF産業は流行りに乗れる力が必要なので、流行りを作り出している世界の中心を感じるのが重要だと思います。ある意味、ファッションの流行りと同じと考えるのが良いです(ファッションの流行りは業界が決めている。今年の流行の色と形はこれよ!的なw)
海外の行き先を決めるには、1.科学、2.文化、3.食事、を考慮することが重要です。日本の科学水準、今はまだ高いですが。。。日本ほど便利な国はないので、大概の物は日本にあります。何をしてもほとんど間違いがなく、電話一本でスグ対応してくれるサービスを社会全体が提供している国は、どこにもないです。海外に住むと、凄く色んな違いがあって苦労しますが、色々な価値基準が身につくため、人間としての生きる力が付きます。”苦労は買ってでもしろ”的なものかもしれません。日本に居ても、海外の研究者との人脈はできないので、ビッグラボに行き、優秀な若手研究者と切磋琢磨し、人脈を築くのが大切と思います。
日本で研究を続ける場合には、できるだけ早くポスドクを脱し、大学の機関職員として無期雇用を助教で得る。特任○○は時限付きのお金の雇用なので、ある意味ポスドクと変わらず、お金が切れた瞬間に職位を失うこともある(例えば、特任准教授だったけど、ポスト見つからずポスドクに戻るとか)。ポスドクは3年1サイクルを基本とし、2ndポスドク程度までが目安。3年いるとラボの技術をだいたい吸収できるので、それ以上の滞在は逆に学習効率が落ちる。
最低目標:1年一報の論文を生産する。仕込みの時間を入れると、これは結構シビアな目標だけど、とにかく生き残るためには生産。
中間目標:年一報&IF10以上の雑誌を1報はだす。主に姉妹誌。
高い目標:Cell, Nature, Science, Nat Neuro, Neruonなどの高インパクトジャーナルに論文を複数回投稿し、できるだけ多くの成果を得る。多ければ多いほどよいPI職が得られる。(私は全て外れで、負けた数なら多分人に負けないと思う。嬉しくないけど、鈍感力が付きます。元は繊細で内気な人柄なんですよー)
Grant書き、Fellow書きは常に行う。米国だったらK99/R00などお勧め(私は落ちました)。民間の助成金も書く。
最後に、ポスドクの給料は自分のボスが出してくれています。従って、仕事の優先順位は、常に今のボスになります。ボスもラボに現在在籍しているメンバーの優先順位を最も高くしてくれていることが多いです。従って、昔の仕事を出版させる必要がある場合には、家でやる、空き時間にこそっとやる、など、追加の努力が必要になります。この際、少しずつマルチタスクに慣れていくことが、重要かなと思います。
補足:海外で色々経験することで色んな事が見えるようになり、良いことも悪いことも経験して、人生が豊かになると思います。海外ポスドクの給料は安いので、これじゃ家族で食っていけない!と思って、必死に就活を始めました。自身の場合。
3.ポスドク終盤
上記の段階で溜まった成果に応じて、PIポジションを探す。世界で探すのが良い。就職はとにかくニーズマッチ。相手のニーズに自分がマッチしていると思われる所に出す。
ベスト:研究の中心となる機関(日本なら、旧帝大、理研、その他諸々)でPI職をげっと
ベター:大学の機関職員としてテニュアトラックポジション(任期無しならなお良い)を得る(主に助教)
まだまだ:海外から日本に帰る場合などは、ポスドクで帰る事もある。その場合は2を続ける。ちなみに、私は修士課程からポスドクの途中まで、10年間で論文が2本しか生産できず、かなり苦しみました。その理由は、振ったけど当たらなかったを繰り返したためです。そこで、戦略を切り替え、とにかく書ける論文は何でも書くという戦略に変更しました。もちろん1本を仕上げる大変さは、どの論文でも変わらないので大変ですが、「論文を生産できなければ科学者ではない」のは、世界共通だと思うので、「とにかく書く」が大切です。
補足:現在は、日本に常勤職が非常に少ないため、ポスドクで日本に戻ることも多い。一生ポスドクを続ける可能性も考慮に入れた上で、自身のキャリアについて考え、必死に就職活動をすることになります。私の場合、知人の研究者に聞きまくって、たまたま期限付きのポストを公募で得ることができました。同業者の信頼を得ることは非常に重要です。PIがラボを立ち上げる際に助教が付く場合もあるので、その際に、信頼できる力を持った人に来てもらい、ラボをしっかりと立ち上げたいという目線で人を評価します。医学などにまだ残っている講座制の助教ならテニュアトラックの事が多いですね(特任○○じゃなく機関職員)。理学部系は、助教からPI職になってきてますね。Co-PIみたいなとこもある。
4.PI職を得るために
自身まだゲットできていない。とにかく3種の神器(原著論文、Grant取得リスト、押して頂ける推薦者)を揃える。なるべく早く助教でも無期雇用の職につくと、戦略の幅が広がる。長い目でみた研究の組み立てができるので、1~2年で成果がでる以外の研究をやりやすくなる。勝ち組に入れば(雲の上の存在の人たち。若くして当てた人たち)更に勝てるようになるのが、現在の日本のお金の配り方。これは、世界的に同じ傾向にある。皆、若くて優秀な人が好き。生物は若いほど価値が高く見えますからね・・・・(*)
今、就職戦線を抜け出せるように、自分の殻を破って、とにかく生産しています。IF高い雑誌を次々振るために、どんどん弾を込めましょう!
5.就職戦線でやること(←2021現在)
まず、自身の売れる対象となる学部、学科を絞り、そのそれぞれに応じてアピールできる申請書を作成する。私の場合、1.医学部の生理学、2.理学部の生物学科、に絞りました。他は出していません。中国も一時期考えましたが、今はまだだしていません。
現在、医学部では3回目の面接に呼ばれた所。私立大学、地方国立大学、研究大学、トップ10大学、で求められる内容は違いますが、とにかく、1.研究実績、2.教育実績、3.資金獲得実績、4.押しの貰える先生、を揃えます。今、業績インフレとともに採用者の年齢が上がっているように思います。40~45くらいの働き時の研究者が買われる感じと思います。私今45歳・・
ひぇ・・
申請はJrec-IN見てとにかく投げまくるわけですが、面接に呼ばれるようになると、続けて呼ばれる感じがあります。私はこの半年の間で3回面接に行きました。全て医学です。だいたい、教室の准教授の先生+2~4人、くらいの戦いになるようです。まだ、ポジションを得ていないので、成功に裏付けられるノウハウはありませんが、必要なことは「ニーズを知ること」です。大学毎に抱えている問題は違うので、その大学大学でニーズをちゃんと把握できると、一番自分の良い売り方が決まると思います。
私の場合は、授業実績(そこそこある)+論文実績(数はある。IFはそこそこ)+Grant(助教だった割に良くとってる)の中で、研究業績を押し気味にできる場合はそうしてます。なお、面接の受け答えで、自分自身がどのような人間なのかわかるように、統一感のある返答をするように心がけています。私の場合、ごまかすのが苦手な性格だったり、都合のいいこと言うのが嫌いなので、思ったことを自分の不利になっても言うようにしてます。
ちなみに2022/9に准教授に上がりました。ずっとうちの医学は准教授人事がほぼ止まってる状況だったんですが、動き出した事で公募を経て昇進することができました。内部のお世話になっている先生方に感謝です。ちなみに、准教授であることも医学戦では大切なポイントと思います。准教授の看板により、内部でちゃんとやってたのね、っていう一定の評価が分かりやすく見えるようになるからです。内部の先生方も、ラボ持ちたいという気持ちを汲んで下さる先生方がいらっしゃいますし、人と人の繋がりで社会はできていますし。一人では研究も何もできないですから。
あとは、ひたすら打席に立つことですよね!今頑張ってます。
------
2024/3/1 ボスが異動しました。周囲の先生方の理解を頂き、医学の研究指導認定を頂くなどを経て、ラボを構える事がOKになりました。多くの方に感謝です。全てを自身の責任で研究できる立場を頂いた事は嬉しい限りです。まずは、環境整備!
二人の学生、秘書さんと一緒にラボスタートです!
-------(2024/8/15追記)
6.PI職を得てやること
まずは、PIになってすぐパフォーマンスが落ちてしまうことのないように、開始から3年程度で論文を投稿。足場を築きつつ、大物を作れる準備をする。学生さんは、個人の能力とモチベに合わせて、1に述べた目標設定を一つづつ作る。研究する前に、まず人としてちゃんとするのが重要なので、社会に出ていける程度の振る舞い、自主判断力、ナドナド、足りなければ教える。もちろん、辛いと続かないので、うまく行ってもいかなくても納得した時間を過ごせるように、環境を準備してあげないとな、っと思います。
自分がこれまで恩師にしてきて貰ったことですね(学部の研究室の先生、大学院の助教の先生、大学院の講師の先生、大学院の先輩、NYのポスドク先のPI、NYのポスドク先のラボマネージャー、NYのポスドク先の同僚、NCNPの同僚、筑波の同僚、秘書さんにゃどにゃど)。人に助けてもらったことに、素直に感謝できるのが大切です。
蛇足:良い研究を楽しくしたければ、良い研究環境を得る必要がある。そのためには、ポジション獲得競争に勝てる実績(論文の生産、同業者からの信頼(日本のコネではない)=ビッグラボに行く)を揃える。
私のキャリアを見ていただくと分かるが、ほぼこの全てに成功していない。他人より抜きん出る何かが無いので、44歳でもPIポジションを取れていない(現在45歳になりました。2022/9)。しかし、上記の努力を続けることで、業界で生き残る程度の業績は出し、自身のアイディアで研究を続け、楽しく(ラボの看板持ってないけど)研究を続けている。一生助教の可能性も大いにあるけど(運良く昇進しました)、まあ、その時はその時で、自身の研究を楽しみ続けるのかなと思う。まあ、そういう人生ということだと思う。そりゃラボの看板なければ自身の研究と100%とは言えないので、運営の責任を持てることを含めてPIにならんとだめですよね。
2021年10月現在、諸事情により、助教になった後の8年間で大学院生が一人もついていないため(最近までずっと実験スペース足りない問題があったので)、学生さんの育成と後進の指導に飢えている。人を育てるのは楽しいし、自分の成長にも繋がる。そんな助教でも良ければ、是非是非一緒に研究したい。博士後期の研究指導担当はちゃんとありますので、きっちり世界を目指して教育は行います。
なお、2022年から、学部3年と4年と一人づつ指導して一緒に研究できることになりました。秘書さんも含めて4人のスモールチームですが、ポスドクの方一人来てくれたら一番いい体制だなって思います。
私の研究予算は平均500万/年をこの10年ほど続けているので、自身の研究に困ることは無いけれども、もうちょっとお金取らないと、日本ではラボ持つ競争に勝てない現状があります。2022年から年1~2k万が5年のお金を頂けることになり、ポスドクさんを探す事になりました。良い人と巡り会えるといいなぁと思いながら、現在、募集中です。
補足:現在、50~60歳の研究者が大学の2/3程度を締めており、非常にポジションが少ない状況が日本で続いています。私の年代40前後は、大学院重点化の世代のためアカデミックで働く研究者人口が非常に多いです。しかし、あと、10年ほどすれば定年退職によりこの状況は改善されると思うので、今から大学院に入って研究者を目指す人には、状況が改善されると思います。昔に比べて、大学院生向けの各種の助成金も豊富です。研究者を目指すのも多分悪くはないと思います。文科省はむしろ、もっと若い人(39歳以下)を増やしなさい!っていってるので(*つまり自身は…ひぃ…以下略)
*少し冗談も入っています。また、研究者の捉え方は、私個人の経験に基づきますので、人により、立場により、見える世界は違うと思います。あくまでも個人の体験記ですが、これから研究者のプロを目指す人の参考になれば。楽しく研究できるといいですよね。恩送りは大切ですね。
2021/09/30
2021/09/05
6/29
サルで採択されていたのは大御所でした。戦いの舞台だった1Aは、採択若手率60%という驚きの数字が。単純に優れた提案書が多かったのでしょうが、中堅の年代になってしまった自分の戦いの厳しさを実感する数字でした(*1)。
6/27
昨日はWeb大学院説明会を無事終了しました。動き出しから開催日まで約1ヶ月という強行軍でちゃんと集客できたので良かったです(*1)。
2021/07/10
2021/6/19の日記
最近思うのですが、PIになって運営業務で忙しくなった時に、それまでの研究アイディアの蓄えが無かったり、新たな研究アイディアを出すための勉強をしなかったりすると、どんどんネタに詰まってジリ貧になっていくんだなぁと思います。
2021/06/13
研究に必要なもの・今の自分に必要なもの
・情熱、以上
あと、健康と生活費かな。大学院生だったら。
1.2年以上いっしょに仕事できる大学院生
2.PIのポジションを取るための三種の神器
CNS+2:Cell,Nature,Sience,NatNeuro,Neuron
1000万/年の予算
押しメンの存在
3.論文をとにかく沢山:ホームラン出ないなら数で勝負
一本投稿中、次の一本のために解析半分、その次の一本用に共同研究枠組み確定済み、その次の一本用にデータ確保済み、う~ん。4本文では数で圧倒は無理か。1年で4本書くとか無理だし。。。
4.夢のある研究
ネタを実現すべく実験系を立ち上げ中
5.人が増えた場合のサブテーマ
4つほど並行して進めてる
6.PIポジション
ひたすら応募中
7.一緒に研究に情熱を傾けられる同士
ポジション取れたら誘う人考え中
8.ランニングコスト
年500万くらいの予算を継続確保。
2021/06/05
計算という名の何か
計算神経科学は、基本的にはある仮定に基づいて成り立つ学問です。それは、神経細胞の活動の特徴が、ある数学のモデルによって模倣することができるという暗黙の了解です。近似的に表すことができると言っても良いのかもしれません。
従来の計算神経科学の研究は、線形代数の組み合わせからなる演算アルゴリズムを見つける物が多数を占めました。個体への入力を担う網膜の細胞や個体の出力を担う筋肉を縮める脊髄の運動ニューロンは、細胞の活動の頻度と誘引される物理量/誘引する物理量がほぼ線形に近い関係にあったため、そのような研究が盛んになったのだと思います。
私が研究を始めた20年ほど前は、発火頻度に意味があるという”仮定”に基づいて様々な認知・運動機能に関わる脳活動が調べられまくりましたが、その当時からこの前提がもの凄く気持ち悪いと思っていました。実際、統計的に発火頻度に差があれば、意味があるという発火頻度万歳主義とでもいえる風潮がありました。もちろん、発火頻度を調べたら色々わかることはありますが、それは単にEEGの事象関連電位を調べたら脳の計算機能がわかるぜ!と言っているのと、大きな差はないという気がします。心理学的には感覚運動事象の何に関連する活動なのかを調べることは大いに意味がありますが、計算という観点からは活動が変化したから意味があるとは思えない感覚があります。
2010年頃から、この風潮は徐々に変わり始め、今は、より複雑な計算の仕組みが提案されていますが、やっぱり、神経細胞って何を”計算”してるの?っていう、疑問は全く変わりません。結局、個々の細胞が活動電位を伝えてる配線がわからない状態で、個々の細胞の活動から(配線を無視して:分かりようがないので)計算と言う名の何かをあれやこれやと議論しているんだと思います。
自分が生きているうちにスタートレックのような世界がくるとは思えませんが(分子リプリケータ‐で、脳を再構成しちゃうやつですね)、脳の深淵の一旦を覗けるような世界に到達して、何やゾクッとしてみたいなと思います。そうしたら、今の神経科学が骨相学みたいなことになることも無いだろうし、医療にも、リアルライフにも、気軽にオシャレに神経科学を適用できる世界がくるんじゃないかなっと思います。
後書き:雑感なので、日々前進の努力を続けている研究者の皆様を貶めたり、煽るような意図はありません。もし、文章を読んで不快に感じられた方がおられましたら、適宜文章を修正致します。多分こんな文体になったのは、自分が自分に不甲斐なさを感じているからだと思います。生産を優先するために挑戦を後回しにするからでしょうか。。。。後ろ向きの思考もたまには良いのではないかと思って、カキカキを終了です。
2021/05/29
2021/5/22
先週久しぶりにストレスからダウンしましたが、その影響が続いているのか今週もイマイチな日が多く、寝落ちしたりしました。なんか、以前凄くストレスが強かった時に急性ストレスっぽい症状が出たりしたのですが、その後、まれに疲れるとその時と同じ様な症状になったりします。
2021/05/23
2021/5/15
今週は色んな雑多な用事をとにかく超速で回転させる仕事をしていたら、疲れ切ってしまいました。大学院の宣伝用のポスターがゼロから見積もり・発注・入稿・ゲラ確認まで、わずか1週間で終わったのは、沢山の方に協力頂いてこそできたことだと思います。凄い反応速度で協力してくれた皆様に感謝しかありません。
2021/5/8
世の中の中間管理職の皆様こんにちは。いかがお過ごしでしょうか。サンドイッチはお好きですか?
2021/5/4
雑多な書類書きや運営企画案を書き終えて、ようやく今年のさきがけの計画案を考え始めました。
2021/5/2
コロナを早く収束できるように行動して、そして、コロナに対応した上で最大限生産的な日々を送れるようにするのが、研究者が今できることなのかなぁ、、、とぼんやり思ったりします。
2021/4/27
今日は、隣の部屋の住人とプチお疲れ様会をしました。
2021/4/24
ブログが参考になりました。本も買って読んで見ます。自分が海外で就活するわけじゃないですが、日本の中で自己アピールをどうするか、重要ですよね。
2021/05/17
2021/4/17
以下、文科省の若手ワーキンググループの方より、FBグループを通じてアンケートの協力依頼がありましたので、転送します。皆様も下の文章をシェア頂けますと、より良いアンケート結果が集まるのではと考えています。よろしくお願いいたします。