Neuroeconomics(ピンク本)を読んだまとめ
第一章:神経経済学はどのようにして生まれたか?
認知神経科学と実験経済学・行動経済学の出会い
神経経済学のこれから
研究の流れ
・神経科学:1990年代のPerceptual Decisionの研究を皮切りに、意志決定に関する研究が盛んとなる。脳の損傷患者の知見や破壊実験などにより、心理状態と脳機能の関係が議論された。2000年に入ると、特に研究数は格段に増えた
・経済学:公理を用いた規範理論は単純で強力であった。理論と実際の行動のズレをパラドクスとして問題化して修正される理論は、明快な理論と消費者の行動の鋭い予測を生み出す。
融合の動機
・神経科学:研究の規範となる普遍的理論がなかった。経済学はうってつけ。
・行動経済学:心理学の原理を取り込んでモデルを改変してきた流れから、更に神経生物学の知見を取り込むことで新たな予測モデルを生みす方向性へと向かった。
両者が歩み寄った契機
非侵襲脳活動測定器(特にfMRI)が90年代に発達したことで、人間を対象に脳活動の測定が可能になった。
脳科学の知見が、ヒトの意志決定の予測の新たな規範理論となりうるのかはわからない。脳の計算アルゴリズムを神経生物学の知識に基づいて理解できた時、初めてそういえるのかもしれない。反対派は多いが新しい挑戦をしなければ何も生まれない。歴史に残る研究なんてほんのわずかだし、それが科学として正しい方向なのかどうかは何十年も経た後に明らかになることだと思う。まあ勃興期で玉石混淆なので、研究の質を見分ける目がなければならない。また、成熟した学問はいつも間違いが少なく心地よいのも確かだが。
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